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本屋大賞2005年 2位:『明日の記憶』荻原 浩
『明日の記憶』の内容の紹介
家庭も省みず仕事に生きる49歳、広告代理店のやり手営業マン、佐伯雅行。仕事においては大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートにおいては娘の結婚が決まる、と順風満帆に見えた彼を突如、物忘れが激しくなる、めまい、幻覚といった不可解な体調不良が襲う。
妻・枝実子に促され、しぶしぶ忙しい仕事の合間を縫って病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。知らないうちに自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、医師の必死の説得により何とか思いとどまる。そして屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、枝実子と話し合い、二人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める。
著者「荻原 浩」について
埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、成城大学経済学部卒。
広告制作会社、コピーライターを経て、1997年『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。その後はなかなかヒット作が出ず鳴かず飛ばずの時期が続いたが、若年性アルツハイマーをテーマに2004年に発表された『明日の記憶』が、翌年(2005年)の第2回本屋大賞の第2位にランクインする。そしてその1か月後の同年5月、第18回山本周五郎賞に輝く。同作品は俳優渡辺謙が『SAYURI』の撮影中ハリウッドの本屋で知りその内容に深く感動、渡辺自ら原作者の荻原に「映画化させてほしい」と手紙で懇願、監督に堤幸彦を迎え、セルフプロデュースで2006年5月に映画化された。なおこれが渡辺自身にとって初主演作品となる。ちなみに、当初渡辺謙から手紙が来た際には「まさか本人ではないだろう」と思っていたが、これが本人のものだと知り仰天したというエピソードが残っている。
作品の傾向としては、『噂』などの初期の推理小説寄りの作品のほか、サラリーマンやその退職者を主人公としたものなど幅広い。初期の爆笑路線はややセーブされてきているが、上質なユーモアに富む文章に定評がある。
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